空き地にベニヤ板や、小さな盛り土、枯れた草の茎などが転がって
いる風景は、昔も今も変わらない。都会では管理が厳しいらしいが、
私が育った田舎ではエエカゲンなもんやった。いや、子供は空き地で
遊ぶモンや。
学校から帰ったら、空き地に集合して、「秘密基地」の設営に腐心
した。勿論、ちゃんと建物を建てるのは無理だから、盛り土の一端に
「大黒柱」と称するクイを打ち込んで、それを支えにしてベニヤ板を
適当に立てかけて雨の当たらない空間を作って、空いた箇所は草で覆っ
た。こんな風にして、子供なら数人入れる空間を作って遊んだ。マン
ガを持ち込んだり、ニューメンバーを紹介したり、挙句の果てには拾っ
て来たエロ本を開いたりした。 (その当時は、エロ本の何たるか、理
解していなかったと思う。) まあ、駄菓子屋で何か買って、こっそり
基地で「買い食い」するのが常であった。
一旦完成すると、今度は入り口を掘り下げてみたり、窓を作ったり、
材木を拾って来て「拡張工事」にいそしんだりした。時折、上級生の
グループが「お前ら生意気じゃ〜」と銀玉鉄砲を打ち込んで襲撃に来
たものだが、こちらも泥玉を投げて応戦した。確かなカタルシスがあっ
た。
こうして苦労して作った基地も、工事や清掃の為にこつ然と消える
のが常であった。 (今風に言えば、「地上げ」である。) まあ、そん
なモンでええんじゃ。子供は色々な遊びを次々とやるのが身上。そし
て、今度は竹やぶに分け入って、「秘密のけもの道」を作って遊ぶの
であった。 懲りない面々であった。