助手になって一年目に、早速「実験委員会」という仕事が回って
来た。学生実験を円滑に行い、改良すべき器材を更新するという役
割を担った会議である。ちょうど教養部廃止の頃だったので、新し
いカリキュラムに合わせた学生実験とは何かという事について、毎
週 1 度以上の頻度で、何時間か話し合いを持った記憶がある。

 色々と画期的アイデアが出たのであるが、一年を終わってみれば
「まあ、従来の延長で行きましょう」という結論というか時間切れ
アウトになってしまい、議論した案も水の泡となってしまった。

 大学の会議とは何なのか、よく学んだ一年だったと思う。アレコ
レやっても、結局は....


後日談: 神戸大学に転勤した後のこと、仙台の人々から「学生実験
    の為に若い女性秘書をやとった」と聞く。確かめに仙台ま
    で出張したら、ホントに居た。以前とは違って、現在の実
    験委員長さんは行動力にあふれている....どうせなら、この
    お方の率いる実験委員会に所属したかった。