「虫も殺した事の無い優しい子だったのに....」というのが、グレた
息子を持つ母親の代表的な感想の一つらしい。私の目から見ると、小
さい頃に虫を殺した事が無いから、長じても平気で人を傷つけるのだ
と思う。今は、アリの一匹を踏みそうになっては、慌てて歩を止める
私だけれども....幼少の頃は何でもやった。ムゴいもんじゃった。

 蝶を捕まえては羽をもぎ、アリは水攻めにする、クモの巣にバッタ
を投げて「捕獲ショー」を観戦する、カエルは「生体解剖」するし、
ヘビはムチのかわりに振り回す、トカゲにはシッポを切らす、ミノ虫
はたき火にくべる、毛虫に車道の横断をさせる、挙句の果ては、「ナ
パーム弾」や「爆竹」のお出ましとなる。

(ウチの院生に聞いてみたら、セミ に爆竹をくくりつけて、火をつけ
 ては空中に投げるという恐ろしい遊びもやったとか。彼いわく、
 「哺乳類は、ちょっと殺す気にはなれなかった」そうだ。)

 今となっては、ただただ供養の日々である。 (蚊を除く。) 夜道を
歩いていて、ガマガエルが車道を渡ろうとしていれば、慌てて捕まえ
ては池に戻す。日本人は、自然と仏教徒になるのだろうか?

p.s. ゴキブリ には、どう応対したものか....