木工の趣味は、恐らくナイフを握った瞬間から始まったのだと
思う。庭木の枝を払った時に、少しだけ切り取って「ボツアナ共
和国特産木工品」の鳥を真似て、伸びたペンギンみたいな置き物
を作ったのが始まり。ナイフが何度生き血を吸ったか、それは覚
えていないけど、無傷では済まなかった記憶がある。
中学の技術家庭科では、図面を引いて木工をすることの手ほど
きを受けた。木工の趣味は、やがて別の趣味へと移って行く。一
つは 無尾翼グライダーの作成、もう一つが 楽器の作成 。これは、
エレキギターを作る事が目的だった。最初はマホガニーで作る予
定だったけど、思いのほか高価だったので、少し安いラワンと、
南洋桜で作成した。余興でミュートバイオリンも作ってみた。ロ
ジンは無かったので、その辺の山へ分け入り、松ヤニを取って来
てはアルコールで精製して弓に塗り付けた。なかなか楽しい趣味
だった。やがて高校受験を控えて、時間のかかる木工から手を引
いた。