人々は、朝家を出て、夕方自宅に戻ってくる。人々が一日に行動するのは、
概して「地上」という平面の上だと思って良い。ビルで過ごす人も居るが、
それは考えないことにしよう。また、家を出たまま夕方になっても戻って来
ない人も例外として考えないことにしよう。旅行者や家出人や行方不明者は
数少ない。
さて、こうした人々の動きは、一日の始めと終わりを同一視 (identify)
すると「からみ目」という数学の問題になる。「からみ目」の数学では、か
らんでいるかどうかが主な問題なのだけど、ここで考えるのは少し違った問
題で「どれくらいの都市になると、人々の動きがからんでくるのだろうか?」
という疑問。田舎で働いて、田んぼに出て戻ってくるだけなら、からんでい
るのは、せいぜい家族数人だけだ。地方都市になると、かなりの人が電車の
中でからんでしまう。でも中には運よく独立な人も居るだろう。人々が描く
一日単位のループ、はたして彼方はどれだけの人々とループがからんでいる
のだろうか?
ひとつ言えることは、一番からみの数 (ワインディング) が多いのは、彼方
に最も親しい人だ。米国大統領に「からんだ」問題が世をにぎわせているが。
(1998.8.21 記す)