消費の年

 いかなご醤油は仕込んだ直後の手入れさえ怠らなければ、かき混ぜるのに
苦労するほど大量に仕込まない限り、案外簡単に作れてしまうことが段々と
わかってきた。もちろん、油断大敵、何らかの原因で塩分濃度が下がる部分
が出来上がると、そこにカビが取り付いたりする。保存容器のフタ回りは要
注意。さて、今年は「仕込み容器がない」という理由により仕込みを断念。
ちょっと欲を出して「ろ過まで5年待ってみよう」などと考え始めると、た
ちまち台所が貯蔵容器だらけになってしまうのである。震災のことを考える
と、吊り戸棚はもちろん、貯蔵棚の上段に貯蔵瓶は置けない。下段は、梅干
しといかなご醤油が仲良く分け合っている。消費の方は順調で、スープの下
味として活躍してくれている。「いかなご醤油料理」と名打った一品を作れ
ないかどうか、これをこの1年の宿題にしたい。

 じゃあ今年は何もしない?いや、ろ過が待ち受けている。それに、去年の
ろ過のカスとして残った「魚ミソ」が残っている。味はまあまあ、というか
塩辛すぎ。食感は先入観があるからか、あまりよくない。味醂を買って来て、
混ぜた後に再度ろ過してみようかと思案中である。