いかなご醤油 は、毎日の調理に欠かせないものになっている。どんな料
理にも、少しだけ加えるのが良い。案外、インスタント食品に良く使われ
ている味なんだということが判って来る。さて、残りが少なくなって来た
ので、2008 年物をろ過しないと。来年は、もっと大量に仕込もう。

 20カ月の熟成を経た麹仕込みのもろみは、上が魚味噌、下が醤油といっ
た感じ。前回よりも色濃く、醤油の香りが強いのは麹を増量したからだろ
う。大きめのコーヒーメーカーを買って来て、ろ過を始める。味噌から醤
油をこしとるような感じなので、ろ過は非常にゆっくり。一度セットする
と2日間は放置。その後、魚味噌はタッパに移し、次のもろみを濃し始め
る。塩分が飽和状態なので空気に触れても腐敗の心配はない。気長に待つ
のが良い。「国産で市販のいかなご醤油は、こんなに長くは熟成させない」
という点に密かな自己満足を感じるのである。実は、仕込みの期間の長短
は品質の善し悪しというよりも、味の好みの問題ではないかと思う。いか
なご醤油を作るだけなら、3カ月もあれば作れる。それは「魚」という感
じで、色は透明な黄金色。段々と時間を経るに従い醤油の香りが強くなっ
て行き、最後は「塩辛いたまり醤油にダシが混ざったような」ものになる。
色も不透明な、黒に近い焦げ茶色。

 さて、搾りかすの「魚味噌」はどうしたものだろうか?これも調味料に
使うらしい。使うとしたら、みりんで割って、魚の切り身の味噌漬けにす
るのが良いかなーなど、思案中。実験的に乾燥させたら、カチカチになっ
た。味噌玉にして吊るしておくか?とりあえず保存しておいたら、下の方
から更に「醤油」が出て来た。これは溜まり醤油?!