ボルツマン・エントロピー S = k log W
ギブス・エントロピー S = - k Σ_i p_i log p_i
この間を、できるだけ簡単に橋渡しする方法に、しばし頭を悩ませた。下から上へは
p_i = 1 / W として
- k Σ_i ( 1 / W ) log ( 1 / W ) = - k log ( 1 / W ) = k log
W
で一発渡り。上から下へは? もちろん、色々な方法があるのだけど、全系を部分系と熱浴
に分けておいて、
W_tot ( U ) = Σ_i W_r ( U - ε_i ) , S = k \log Σ_i W_r ( U
- ε_i )
と部分系の状態についての和に書き直しておいて、
p_i = W_r ( U - ε_i ) / Σ_i W_r (
U - ε_i )
を使って「熱浴の平均エントロピー」を確率平均で書き下して、
S_r = k Σ_i p_i log W_r( U - ε_i )
S と S_r の差を「部分系の Gibbs エントロピー」として与えるのが最短コースか?
S - S_r = k Σ_i p_i log W_r( U - ε_i ) - k \log Σ_i W_r ( U
- ε_i )
= k Σ_i p_i log [ W_r( U - ε_i ) / Σ_i W_r ( U - ε_i )
] = k Σ_i p_i log p_i
どちらも、白文字 で表した所で等重率を使っている。なお、ボルツマン・エントロピーから
出発して、
S = k \log Σ_i W_r ( U - ε_i ) = k \log W_r ( U ) Σ_i [ W_r
( U - ε_i ) / W_r ( U ) ]
= S_r( U ) + k log Z_sys
という具合に、部分系をホイッと熱浴にくっつけた時に、熱浴から受け取る自由エネルギー
も導くことができるから、この流儀で「熱力学関係式全てを等重率で書き下す」ことも可能
なはずだ....講義や教科書には全く使えない導出だけれども、平衡条件から一歩踏み出す時に
は、なるべく色々と知っておいた方が良いな〜と、最近では思い始めた。
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