むかし、東北大学理学部で用いられた物性理論研究室の勧誘文章

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大学院に進学を希望される皆様へ

 まず、「物性理論の研究室に進学すると、物性しか勉強できない」という思い込みは捨てて下さい。正しくは、「物性理論の研究室に進学すると、物性も勉強出来る」です。物理学というのは、数学に次いで「統一を好む学問」で、素粒子・宇宙論も物性も全く同じ理論形式の上で表現されています。ちょっとカルトな表現をすると、「素粒子・宇宙論と物性理論の違いは、考える "空間 M" と、それに働く "群 G" の違いだ」と言えます。富士山に例えると、物理の各分野は富士五湖に相当し、究極の物理は頂上にあります。ですから、どの様な経路をたどって勉強しても、頂上までたどり着けば、ふもとの景色 (=物理学全体) を見渡す事ができるのです。但し、稀に頂上まで通じていない「けもの道」もありますので御用心。

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ついでの話

 「もう2年間大学で遊ぼう」とお考えなら話は別ですが、もし「研究者になろう」と思って大学院を志望されるならば、今年度中に基礎中の基礎である量子力学(特にディラックの形式)、統計力学、物理数学などを固めて下さい。基礎の無い所に、理論物理学を詰め込もうとすると、大学院在学中に発狂するか、怪しい団体に勧誘されるのがオチです。