コンピューターの歴史 40 年、人とマシンの接点はキーボードで
あり続けました。システムの主要な操作がマウスに移行しつつあ
る今日でも、文章を入力したり、プログラムを書いたりする作業
では、依然としてタイピングの果たす役割が大きいのです。

(21 世紀初頭においても、依然としてキーボードは「コンピュー
 ターとセットで販売」されていることでしょう。)

 さて、このような状況の下で、もしキーボードから文字を「拾
い読み」していたら、仕事の効率が悪いこと甚だしく、多大な時
間を無駄にすることでしょう。

 一応ブラインドタッチをマスターしていると思っている方でも、
色々な欠点を抱えている場合があります。

(1) 他人のコンピューターを使うと、うまく入力できない

  キーボードの感触に頼って入力すると、こうなります。
  「たとえキーが無くても」指が「文字の場所」に動く様
  でなければなりません。理想は、機械式のタイプで正し
  く入力できること。あくまでも理想ですが....

(2) コントロール h や、バックスペースが使えないと沈没する

  コンピューターの便利な所は、いくらでも修正が効く所
  です。しかし、それも度を超すと悪いクセになって、頑
  固に身についてしまいます。そもそも、「消去」用のキー
  は、入力している時に気が変わって推敲する様な場合に
  使うのであって、ミスタッチを修正するために存在する
  のではないのです。

(3) 画面が見えないと、入力できない

  印刷された文章をキーボードの右か左に置いて、その内
  容を入力する場合、本来ならば「原稿のみを見てタイプ
  する」べきです。 (注: 英文の場合はこれが正当。但し日
  本語の場合は漢字カナ変換があるので、この限りにあらず)
  印刷された英文をタイプ入力する場合、画面を見ないと
  正確にタイプできない様であれば、問題です。既に、(2)
  の罠にハマっています。

(4) 右シフトを使えない

  シフトキーが左右両方についている理由は、「シフトキー
  を押していない手で、文字をタイプする」という習慣が
  あるからです。右手でシフトを押せる様になったら、左
  手の負担が減って、タイピングが少し楽になります。

(5) テンキーが無いと数字が入力できない

  ホームポジションの取り方が甘いと、ホームから 2 段上
  の数字キーを正確にタイプできなくなります。ノート型
  など、テンキーの存在しないコンピューターも多々あるの
  ですから、数字の正しいタイピングは必須項目の一つです。
  また、JIS 配列日本語入力や、英文の記号もこの段にあり
  ますから、正しくマスターする以外に逃げ道はありません。

(6) JIS キー配列と 英文配列と、欧文配列の区別ができない

  これは規格の問題の方が責任重大、と思うべきかもしれ
  ませんが、仕方の無い事なので、全ての配列で覚え込み
  ましょう。ピアノの移調みたいな感覚で、「この配列な
  ら、@ はココ」といった感じでマスターする以外に手は
  ないようです。

(7) すぐスペースバーを押す

  使う頻度が e と同じく高いのが、スペースバー。コレが
  なかなかクセ者。タイピングに詰まると、すぐスペース
  を押して、それからコントロール h という人を良く見か
  けます。これは邪道。スペースも文字と思うベシ。

(8) 特定の語句を超スピードで打つ

  The, This, and, read, write, to, etc., の様な頻出単語
  を一気に打ち込むクセを持っていませんか? これは危ない。
  t の後には e か h しか打てなくなってしまいます。タイプ
  に重要な事は、「粒をそろえて」均一に入力することです。
  少なくとも現在の所は。

他にもイロイロと悪いクセはあるのですが、まあこの辺で。さて、
この様な悪いクセはどうやったら治るか? 簡単です。タイプ教本
を買って来て、一日 30 分づつ、一ヵ月練習すれば誰でもマスター
できます。 (ちなみに私の母親は 60 にして JIS 配列かなタイプ
までマスターしてしまった! 早々に放り出すと思っていたのに!!)

 そういう訳で、時々「タイピング競技会」を開いています。
道場破り、歓迎します。いつでも迎え打とう!